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治療3 ~その2~ [治療]

 翌週、またあの会議がやってきました。会議は9:00から始まるので、会社に行く途中にワイパックスを1錠飲みました。いままでガチガチになりながら話をしてきたのです。そう簡単に劇的に変わるようには思えませんでした。でもいままで会議の前は、まるで死刑宣告を待つかのような心境だったのですが、少しラクになったような気がしました。

 自分の番が来て話始めました。今まで話をしている途中からどんどん不安な気持ちになっていったのですが、今回はある一定の部分で持ちこたえることができました。不安感が少し軽減したのです。ほどなく自分番は終わりました。薬を飲んで少しですが、症状の改善を確認することができました。

 その日も定時すぎまで仕事をしましたが、今までと違って不安感があまりないのです。今までは一度不安になるとその波に一日中拘泥されていしまい、まともな精神活動ができなくなってしまうのですが、その日はかなり気持ちが落ち着いていました。そう思うとうれしくなって、もっと精神的にも希望がもてるようなそんな一日を経験しました。

 翌日は話する機会がないので、薬を飲まずに出社しました。昨日の調子が持続するか実験の意味もありました。でもその日はダメでした。不安になるかどうかを試すということは、常に「不安じゃないよね?大丈夫だよね?」と自問自答を繰り返しながら確認をするわけです。もう午前中からかなり不安になってしまいました。頭もスッキリしません。胸も少し痛みを感じました。

 その次の日は悩みましたが、ワイパックスを飲んで出社しました。話す機会はなさそうですが、またあの不安感に襲われるのはもう恐怖以外の何物でもありませんでした。1日おきに飲むのを2回繰り返して分かりました。明らかに1日おきに不安な日とそうでない日があるのです。私は不安に耐えきれず、毎日ワイパックスを飲むことにしました。自分はここに至って、もはやワイパックスなしでは生きていけなくなってしまったことに気がつきました☆でも薬飲んでいると不安を感じなくなるのでとても楽なんです。久しぶりに全くと言ってよいほど不安感のない日を送れるようになりました。

 そして何よりすばらしいことがありました。数年来患ってきた頭のジンジンが良くなってきたのです!目の奥の痛みや不快感も取れてきました。また、同時に数年来絶望的なほどの疲労感を感じていたのですが、この疲労感と体が重さも取れてきました!リフレックス錠だけ飲んでいたときでは得ることのなかった効果をワイパックスで確認することができました。もっと早くワイパックスを飲んでおけばよかったのかもしれませんが、別々に飲んでいた期間があったおかげで双方の効果の違いを確認することができました。これはこれで良かったと思います。最初の病院では、抗うつ剤と抗不安薬を初回から同時に処方されましたが(結局そのときは飲まなかった)、同時に飲んでいたらどちらの薬の効果なのか良く分からなかったことでしょう。

 抗不安薬と書くと単に不安を押さえるだけかと思ってしまいますが、マイナートランキライザーという総称もあります。鎮静剤といったほうが効能は分かりやすいと思います。マイナートランキライザーをyahoo百科事典で調べると下記のような記述があります。

 「抗不安剤ともいい、いわゆる精神安定剤で、神経症に伴う不安、緊張、抑うつのみならず、恐怖症、神経衰弱にも用いられる。また、消化性潰瘍(かいよう)の治療にも併用されている。クロルジアゼポキシドから始まるベンゾジアゼピン系薬物が中心で、催眠作用はほとんどみられず、いわゆる不定愁訴に有効である。

私は頭痛やら目や目の奥の痛み、挙句の果てにはドライアイで目があけていられないなど年中何かしら痛みをかかえて仕事をしていました。こういったものを不定愁訴と呼ぶのでしょう。不定愁訴の治療法として、松井先生が発見した「首神経筋症候群」という本に着目したり、はり灸に行ってみたり、マッサージに行ってみたりといろいろ試しました。眼科に行って眼底検査もしてもらいましたし、脳のCTスキャンも取ってもらいました。こうした数年間悩まされた体調の悪さが、ワイパックスで改善されてきたのです!これには本当に驚きました。

 医者に行くのは翌週ですので、代わりに父親に電話しました。抗不安薬飲んで頭痛と疲労感が取れたことを報告したところ驚いてました。もう数十年前でしょうが、父の実家がやっていた薬局では本当にトランキライザーが良く売れたそうです。当時は普通の薬局でもトランキライザーを販売出来たらしい。その電話で初めて知ったのですが、父親も若いころトランキライザーを飲んでいた時期があったそうです。私は父親は良く追いかけられる夢でうなされることが多かったのを子供のころからよく知っています。そういったときに自分で処方して飲んでいたようです。もしかしたら遺伝なのかもしれませんね。

 ワイパックスもなくなってきました。来週医者に行ったらワイパックスを毎日飲ませてくれないかと頼まないといけません。でも抗不安薬には耐性があるらしいのです。勝手に飲み方変えて大丈夫だったかなと少し思いました。



首をチェックして原因不明の頭痛、不調を治す

首をチェックして原因不明の頭痛、不調を治す

  • 作者: 松井 孝嘉
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/02/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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治療3 ~その1~ [治療]

 2週間経過し、3回目の通院となりました。
まだ入眠時に胸の苦しみを感じる日はありましたが、リフレックス錠の副作用はだんだん収まってきました。まだ頭のジンジンがあります。そして以前よりもましになったものの、不安感があります。不安感があると一日中その不安感に拘泥されてしまい、何をしていても不安感のことばかり考えてしまいます。

 今回は、診察の前に「SADチェックシート」を受けることになりました。女性のカウンセラーと小さな部屋に入りました。まず症状について聞かれたので、私は不安感があり、人前で話せなくなる自分の症状を説明しました。SADチェックシートは30個くらいの質問からなります。例えば「上司や先生など目上の人と話をする」という状況に不安を感じるかどうかを「はい」「いいえ」「しばしば」の3つから選択する形式です。自分は3分の1くらいに症状があてはまりました。

次に、同じ質問について「実際にその状況に遭遇したときに回避するか」を「はい」「いいえ」「しばしば」から選択します。回避したいとは常々思っているのですが、毎日会社に通っている自分です。いままでずっと回避せず我慢して生活してきたので、「はい」に丸したのは3つくらいしかありませんでした。

それにしても世の中にはいろんな社会不安が存在します。「結婚式など公式の場で自分の名前を書く」とか「高いところに登る」など自分にはあてはまらないような質問もいくつかありました。自分の場合はやはりスピーチ恐怖というものが中心にあって、それに付随して宴会に参加するとか、潜在的に話しさせられそうな状況や目立ったりするときに不安を感じます。

 そのあとしばらくたってから、先生の診察が始まりました。
SADチェックシートの結果は26点でした。「26点だからまあ大丈夫なほうだね」と言われました。きっと状況を回避するにあまり丸しなかったせいだと感じました。回避したい気持ちは強いのだから、もっと丸しとけばよかったかなと思いました。

先生には副作用は収まってきたことと、まだ不安感があることを訴えました。そして、人前で話すときにやはり不安感がひどくなり、頭が真っ白になりそうになり震えてしまうということを率直に話ました。

 すると先生は「今回は抗不安薬も出しますから、話をする30分位前に飲んでみて下さい。」と言われました。話する前に頓服して不安感を抑えながら話をすることで、徐々に自信をつけていく治療法です。毎週会議がありますので、薬を試す機会には事欠きません。これから2週間、抗不安薬を試してみることにしました。

 もらった薬は「ワイパックス」です。1錠1mgです。WPXと書いてあります。会社に行ってから帰宅し、早速ネットで調べてみました。「ベンゾジアゼピン系の緩和精神安定剤(マイナートランキライザー)です。」とあります。私は社会不安障害のサイトの体験談に「ベンゾジアゼピン系の薬は劇的に良いた」と読んでいましたので、この薬に少し期待するようになっていました。。薬を飲みながら成功体験を積み重ねることによって、少しずつ治していくことができるはずです。

 ただし、作用:強 時間:中とあるのでかなり強い薬のようです。抗不安薬は耐性があるらしく、依存症が怖いですが、頓服するのであれば問題ないでしょう。10錠ほどもらったので来週、話をする前に飲んでみることにしました。
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http://www.shypeople.gr.jp/
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治療2 [治療]

 2週間経過し、2回目の診察となりました。
待ち時間が長いことを知った私は雑誌を持参していきました。前回、3時間も待っていましたが、何もできない状態だったのと比べると読書できる元気があるのでかなり改善されています。結局今回も2時間待ってから診察となりました。

先生にはまず、リフレックス錠を飲んで発症時と比べるとうつうつとした不安感はなく、思考がグルグル回っていたのもなくなり、ずいぶん落ち着いてきたことを報告しました。

すると先生は「リフレックス錠はサラリーマンにはずいぶん効くね~」とおっしゃってくれました。

しかし、まだ不安感はあります。不安感が頭と胸に広がってくるような、そんな日があるのです。また、頭の右下を中心にジンジンしています。リフレックス錠の副作用は眠気は2~3日で収まったものの、入眠時の胸の苦しさは2週間たってもまだありました。胸が締め付けられるように苦しくもがいている感じです。

それについて先生は「薬を飲んでいけば、今後もっとラクになって行くと思うよ」と言ってくれました。
私は「そうですか」と先生の様子から少しの希望を感じました。先生は元気な感じでハキハキしているので、話していると少し元気が湧いてきます。

 今回先生に質問したいことがありました。まだ先の話ですが、薬はどうやって減薬するのかです。リフレックス錠を1錠飲んでいますが、0.5錠とか半分にして飲む訳にはいかないでしょう。

先生は「0.5錠で効くかどうかは製薬会社に聞かないとわからない。だけど、この薬は本当は2錠が普通なんだ。でも、欧米人と日本人では体格が違うからね。」と舌をペロッと出しながら言いました。「減薬するとしたら、1日おきに飲むという形になると思います。」なるほど、前回「まずは1錠からやっていきましょう」と言われた理由がわかりました。適量の半分からスタートしているわけです。通常の抗うつ剤もまずは1錠からスタートすることが多いようです。まあ、この薬をいきなり2錠飲んだら倒れてしまうだろうなと思いました。

 「お酒は飲んでいいんでしょうか?会社で飲み会とかあるんです。」
先生は「うーん、できればやめておいた方がいいけど。でも付き合いとかもあるだろうしね。」
自分は「そうですか。じゃあ飲まないようにします。」と言いました。もともとお酒は弱くあまり好きではないので逆に好都合かもしれません。次の飲み会はキャンセルしようと思いました。
 
今回もたまたまSADチェックシートをするカウンセラーがいないので、次回ということになりました。

最後に 「今回もリフレックス1錠でいきましょう。薬で頭をぼやーっとさせてだましだまし、少しずづ自信がついていけば治って行きますから。」と言われました。「ただし、この薬は2週間分しか出せないのが欠点なんだよな」と付け加えました。普通の抗うつ剤だと1ヶ月分くらいもらえるようですが、国内で認可されたばかりなので、2週間分しかもらえないとのことです。とりあえず、薬が効いている感じがあるので、先生を信じて治療を続けていくことにしました。

 病院が終わってから気づいたのですが、抗不安薬について聞くのを忘れてました。胃が痛かったときに飲んだ「リーゼ」という抗不安薬が何の効果もなかったので、抗不安薬についてはあまり期待してませんでした。まあ、次回聞いてみることにしましょう。

それから会社に行きました。休みたいところですが、午後2時ころ出社しました。というより、金曜日の夜に飲む分はあるので、土曜日の午前中に病院に行けば会社を遅刻しなくても済むのですが、貴重な休日を無駄にする恐れがあります☆しかも土曜日寝過したら薬がなくなりThe Endです。もはやあまりやる気もないし具合が悪いことをアピールする必要性がありますのでしばらくはこのパターンでいこうと思います。会社ではもう上からの信頼もかなり失っているわけですから、問題にならない程度に仕事して、あとは今後の身の振り方をぼんやり考えたりしてました。

 それから2週間リフレックス錠を飲み続けました。朝起きて気になることは頭のジンジンが良くなっているかどうかです。発症時からはずいぶん収まってきましたが、まだジンジンしてます。これがなくなれば不安感はなくなるのだろうと思うようになりました。それから日中の不安感です。不安感が強い日と弱い日があり、また1日のうちでも波があります。一度不安になると「抗うつ剤を飲んでいるのに不安になる!」という新たな心配が生まれてしまい、不安感もどんどん大きくなっていきます。逆に、調子良いときは「昨日プロテイン飲んだからかな?」とプラス要素があるとどんどん気がラクになっていく日もありました。

 そして恒例の会議です。まだ不安感が強くとてもうまくいきそうにもありません。話の始めの方は頭が真っ白になりそうなんですが、なんとか持ちこたえて説明し終えました。身体も震えてしまいました。でもパニック発作が起こった時よりはずいぶんマシです。これだけでも薬を飲んだ効果はあるのではないかと思うようになりました。

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治療1 ~その3~ [治療]

 リフレックス錠を飲み始めてから5日目、会社の診療所に行ってカウンセリングを受けることにしました。毎週カウンセラーが巡回にきて、精神を患っている従業員のカウンセリングをしているのです。受診のきっかけは父に電話したときにカウンセリングを勧められたからです。父はアメリカのERみたいな医療ドラマが好きで良く見ているのですが、主人公が疲れて弱音を吐くと必ず相手の女性は「疲れてるんじゃないの?カウンセリング受けなさい」というらしいです。アメリカと違ってカウンセリングはまだ日本では一般的ではありませんが、いろんな人に治療法とか薬のこととか聞いておいた方が良いだろうと判断しました。

 診療所に行くといつもの看護師のおばさんがいました。風邪ひいたときとかたまに来ていたので、お互い面識があるのですが、さすがに言いづらいです。「あのー、カウンセリング受けたいんですけど。いや、社会不安障害とか診断されてしまったので・・。」と間の抜けた言い方になりました。少し驚いた様子でしたが、奥の診察室に来ているとのことだったので、ノックして診察室に入りました。

 カウンセラーは45才くらいの方です。お互い「よろしくお願いします」と言って席に座りました。「どうしましたか?」と聞かれたので、社会不安障害と診断された経緯について話しました。飲んでいる薬はリフレックス錠です、と言ったら「おー、いきなりリフレックスいきましたかー」と言われました。「一般的ではないんですか?」と聞いたら「いや、自分はまあ、医者ではないんであまり薬の処方についてあれこれ言えないんですが、症状をからすると単なる不安障害でしょうからね。最初は抗不安薬だけでもいいんじゃないかなという気はしますね。」と言われました。自分はまだ抗不安薬はまだ処方されてないので、どういう効能があるのか知りたくなりました。「抗不安薬というのは、飲んだらどういう効き方するんでしょうか?」「うーん、まあその名の通り不安感を抑える薬ですね。あれこれ不安に考えなくなる。」おいおい、それではあまり答えになってないような・・。

自分は胃が痛かったとき「リーゼ」という精神安定剤を飲みましたが、効いているのか効いてないのか全然実感がなかったので、抗不安薬に対してそのときはあまり効果を期待してませんでした。でも次回の病院の診察では、抗不安薬を処方してもらえるか聞いてみようと思いました。

 さて、自分が一番聞きたかったのは、他の人がどうやって社会不安障害を治しているかです。
「治るのにどのくらいかかりますか?」と聞いてみました。「人それぞれですね。でも結構時間はかかると思いますよ。脳が回復するのを待たないといけませんから。そうですね、短い人だと2、3か月の人もいますし、長い人だともう10年以上治療を続けている人もいますし。」10年!これは相当長いです。「その10年続けている人はどうやって会社で仕事しているんでしょうか?」「まあ、会社というのはいろんな組織がありますから、あまり人前に出ないような仕事に配置してもらったりするわけです。いわゆる続適材適所ということです。」なんだか、自分もそうなりそうで少し脱力感を感じました。「えー、そんなぁ」とつぶやいてしまいました。「治っている人はどうやって治っているでしょうか?」「一番多いのは自然に治ってしまったという方が多いですね。」うーん、これでは参考にならん・・。

カウンセリングは30分くらい続きました。終わりになって、カウンセラーの先生は
「どうです、月1回このような形でお話しながら治療方法を考えてやっていくのはどうでしょう?」
と切り出しました。なんだかあまり役立ちそうにないなと思いつつも「お願いします。」と言いました。
「1回2850円、給与天引きでかかりますがよろしいですか?」
後から金額言うなよ、しかも病院代より高いような、と思いつつも「あー、分かりました」と言いました。

そしたら、次の人がガラッとドアを開けてきました。病んでいる人はたくさんいます。自分だけではないのです。仲間はたくさんいます。

 まあ仕事抜け出して診療所に行けば調子悪いアピールにもなるだろうと、保険をかけるような意味も込めて月1回のカウンセリングを継続することにしました。
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治療1 ~その2~ [治療]

 翌日起きたのは13時過ぎでした。就寝したのは22時ですから15時間も眠っていました。眠っている間1回も目覚めていないんです。起きるとリフレックス錠のせいで頭がボヤーっとしています。頭のジンジンが取れていません。体も非常に重い感じです。遅い昼食を食べたらまた眠くなってしまったので、15時から3時間で眠ってしまいました。まさかの18時間睡眠です☆まさに、リフレックス錠恐るべしです!
 
 一日があっという間に終わってしまいましたが、また就寝前にリフレックス錠を飲まなければなりません。こんなに強い薬を毎日飲めるのだろうか?と少し不安になりました。あんなに寝たのに普段通り23:00頃就寝しました。

 2日目は10時ころ目覚めました。ただし寝付きがすごく悪かったのです。入眠時に胸が苦しくなったのです。苦しくて胸を押さえてました。もだえていました。その苦しみが翌朝になっても残っているのです。でも2日目になって効果が多少でてきました。少しの物音でもビクッとしてしまう症状が収まってきたのです。「普通の抗うつ剤だと効果が出るのに2週間かかるのにリフレックス錠は即効性がある」と妙に自分で納得しました。眠気と体のだるさは昨日の半分くらいになりました。頭がボヤーとしてますが、副作用にもだんだん慣れてきたようです。
明日は会社です。もっと休んでいたいのですが、明日休んだら会社に行きづらくなります。上長に病院で告げられた病名を報告しなければなりません。翌日、最後の力を振り絞るような気持ちで会社に行きました。

 午前中に部長と課長に会議室に来てもらいました。自分は社会不安障害とうつ状態であるということを報告しました。病院では社会不安障害としか宣告されてませんでしたが、うつ状態であることもきちんと報告した方がよいと思ったからです。そしてしばらく通院して薬を飲むことになると言いました。

会社員にとって「うつ」というのは本当に致命的です。「一度潰れた人間」とレッテルを貼られます。それがイヤだったので、どんなに体がつらく苦しくても自分は会社を休まずに毎日一生懸命仕事をしてきたのです。除け者にされるイメージがして怖かったです。出世なんか望むべくもありません。でも、もともと出世には興味なかったから丁度よかったかもしれませんね。

 このとき「うつ」であることを強調したのが効を奏じました。毎日定時で帰って療養する許しを得たのです☆会社に入ってから何度毎日定時で帰る生活を夢見てきたことでしょう。定時で帰るのは50過ぎの出世できなかった誰からも叱られないおじさん達か、アシスタントの女性くらいです。それがいままさに現実になったのです!ただし残業代がもらえなくなります。ただでさえ不況で給料が減っているので、節約しなければなりません。でもこれを機にしっかり時間をかけて体を治そうと思いました。

 しかし、喜んでばかりはいられません。先週発作を起こした会議はやってきました。発作を起こそうが自分の番はなくならないのです。前日に準備はしていましたが、話しているうちに不安感と恐怖が頭と胸に広がって行きました。でも、先週と違ってある一定の部分で不安感がひどくなるのが止まった感じがしました。少しの物音でビクッとしていたのが収まってきたのと同じように、脳の恐怖を感じる偏頭体に作用して恐怖に歯止めがかかったという感じです。体は小刻みに震えましたがなんとか乗り切ることができました。

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治療1 ~その1~ [治療]

 翌日、新しい病院に行きました。前回と比べて大きな病院です。
朝早く起きる気力もなく10時過ぎに到着し、「こころの診療科」に受付してもらいました。診療科目はいろいろありますが、整形外科、心療内科、内科の3種類に集約されるようです。待合も広くロビーに椅子がたくさん並んであります。私は椅子に横にもたれかかってぼんやりとしていました。混んでいるせいか、2時間以上経過しても自分の名前は呼ばれませんでしたが、全く気にかかりませんでした。湧き上がってくる不安感と闘いながら、半ば半分人生が終わってしまったような気持ちになっていました。後ろから見たら寮に引きこもって会社辞めて行った人たちのように、「妖気」なるものが漂っていたことでしょう。

 それから名前が呼ばれて、診察室の前の待合室に行きました。どんな先生だろうかと期待と不安が入り混じるような気持ちで、自分の症状について頭の中で整理してました。ほどなく名前が呼ばれて診察室に入りました。先生は45~50歳くらいの若々しい感じの先生です。先生は「どうしましたか?」と聞かれました。

自分は昨日会議で話せなくなったことと、不安感、うつうつとするといった症状を説明しました。
すると先生はうんうんとうなづきながら、カルテに「社会不安障害、SAD」と書きました。
先生は「話すことが苦手になったのはいつごろなの?}と聞かれました。
私は「会社入って2年目くらいからです。最近は昇進したので部下も数人いたし、たまに怒られながら仕事してたので症状がひどくなったみたいです。」と答えました。
すると先生は「そうかー、部下ももっちゃったかー」と笑いながら言いました。

先生は「社会不安障害ですね。ストレスとかで人前で話しするのが苦手になる病気です。治療すれば治ります。」「治るんですか?」「治ります!昨日行った病院の薬は飲んでないんだね?」「はい、飲んでません」「じゃあ、リフレックス錠という薬を出しますので毎日1錠からやっていきましょう。」

リフレックス錠?なんだか聞いたことない薬だなと思いました。
「その薬は抗うつ剤ですか?SSIRとか・・?(このとき間違ってSSIR言った)」「SSRI、うんそうですね。よくこの薬、と指名されたりしますけどね。薬飲みながら脳をだましだまし慣らしていく感じで治療していくんだね。」「他にも病気になる方はいるんですか?」「あーもういっぱいいますよ。教員から自衛官とかサラリーマンとか。ただし薬を飲まないと治らないからね。」と言われました。

それにしても、自分はうつ病が原因だと思っていたのですが、奇しくも2人の先生の診断が一致したのです。先生は気さくな方だったので、この先生を信じて治療することに決めました。私は抗うつ剤を飲みにあたっての注意点を聞いてみました。「明日は土曜日だから明日は休みなんでしょ?であればちょうどいい、今日の夜から飲んでください。本当はできれば2~3日会社休むのがいいんだけど。というのは最初は副作用で眠くなったりするんで、ミスとか事故とか起こしたりすると怖いんでね」と言われました。その時は、土日二日間あるからまあ大丈夫だろうということになりました。

本当はこのときSADのチェックシートというのがあって、質問に答える形でSADかどうか判定するという作業が入るはずだったのですが、判定するカウンセラーが不在だったので次回ということになりました。受付の隣が調剤になっているので、薬をもらい病院を出ました。

もう1時半過ぎになってました。自分は昼ごはんを買いコンビニによってから会社に行くことにしました。発作を起こした翌日なので、コンビニにいくだけでも不安です。「大丈夫かな?」と自分に問いかけながら生活するのは本当に疲れます。

 会社に着いたのは3時前でした。会社に近づくともう脳が「危険信号」を発するんです。それでも頑張って会社に行って丸1日不在にして溜まっていた仕事を片づけていきました。

 帰宅途中、本屋に寄りました。もらった薬を薬辞典で調べようと思ったからです。しかしどの辞典にも載ってないんです。家に帰ってネットで検索したところ、最近発売されたばかりの新しいタイプの抗うつ剤だということがわかりました。それまでのSSRIとは違った仕組みで効くらしく、今までは薬が効くまで飲み始めてから1週間ほどかかっていたものが、3日くらいで効いてくるらしいのです。しかし、副作用が気になります。掲示板では「とにかく眠い」と報告されている方が結構います。自分はもしかして先生の実験台にされているのかも?と疑心暗鬼になってきました。

私は飲む前に父親に電話して相談しました。実は父親の実家が薬局をやっていたので、薬剤師の資格をもっていたからです。電話したところ「トランキライザーみたいなものだろ?」と聞いてきました。もらった薬は抗うつ剤であることを伝えると少し驚いていました。しかし「まあ、医者を信じて飲んでみるか、な?」という言葉をもらいました。

抗うつ剤じゃなくて精神安定剤からはいるべきだったかな?と思いが少し残ってました。でも社会不安障害についてネットで調べると、やはり抗うつ剤をベースに話す前に抗不安薬で治療するというのが一般的だということです。幸いにも次の日は会社は休みです。寝る前に1錠口に含んで、水で飲み干しました。

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発症 ~その2~ [発症]

 その日は、定例の会議がありました。順番に前に出て報告事項を述べるのですが、話す前から不安感でいっぱいになりました。座って話するのは平気なのですが、立って話するのは本当に苦手でした。自分の番が回ってきました。もう異様に緊張してしまい、立っているのがやっとの状態です。いざ話始めると不安感が真っ黒い雲のように立ち込めてきました。それと同時に足から順に体全体が震え始めました。そして頭が真っ白になり、とうとうへたり込んでしまったのです!体調がすぐれないということで会議は途中で抜け出させてもらいました。終わった後もずっと頭を手で押さえていました。ちょうどジンジンしていた、目の裏の後頭部の部分です。

 もう申し開きができなくなりました。上長に時間を取ってもらって自分がうつ状態であるということを説明しました。上長もまさか「うつ」であるとは知らず、かなり驚いていました。自分もショックでした。うつではないかとは思っていましたが、それを治そう努力してきました。そして体の不調を我慢しながら7年間必死に仕事してきたのです。精神力だけで仕事していたのが、今まさに崩れて行くのを感じました。

その日は午後から早退させてもらって病院に行くことになりました。
帰宅すると妻から「あれどうしたの?」と言われました。そして子供が「パパ!」と言って駆け寄ってきました。それを見たらもう泣きそうになりました。任務を果たせず帰ってきたのは会社勤めしてから初めてです。病院には妻に運転してもらうことになりました。3年前に行ったあの心療内科です。気は進まなかったものの、思考力ゼロだったのでその病院しか思いつきませんでした。

 発作を起こしてしまったことによって、脳にかなりダメージを与えてしまったことに気がづきました。少しの物音でも「ビクッ」としてしまうのです。大きな物音で驚く時と同じ反応をしてしまいます。もう脳がおかしくなってしまったとはっきり認識しました。

 夕方病院につきました。内科と心療内科に分かれていますが、どちらも人はまばらです。私は受付を済ませると左側の心療内科の方に行きました。3年前と同じくパニック障害について壁紙が貼ってあります。先ほど「死ぬのではないか」という恐怖を味わってきた自分です。今回はきちんと薬を飲んで治療しないといけないなと思いました。

ほどなく自分の名前が呼ばれ診察室に入りました。やはり3年前と同じ先生です。自分は不安感と先ほど会議で話せなくなったことを伝えました。すると先生は「あなたは3年前もいらっしゃってますね。あなたの病気は社会不安障害というものです。以前パンフレットあげたの持ってますか?」と言われました。私は少し面喰って「あ~、もうないかもしれません」と言いました。社会不安障害?前も同じようなことを言われた記憶が戻ってきました。先生は「薬2種類出しておきますから。これを飲んで薬が効けばしめたものだ。」と言われました。そのあと体重を図って終わりました。結局パンフレットはもらえませんでした。

診察を終えて処方箋をもらいました。10分足らずの診察でしたが、初診料として3500¥かかりました。私は調剤薬局には行かずに、まず妻の待つ車に戻って相談しました。診察を終えたあとでもまだ自分は「うつ」だと思ってました。それなのに社会不安障害と診断されたので、納得がいきません。もう少しよく調べないと薬を飲む気にはならなかったのです。結局、妻から「帰ったらネットで別の病院を探してあげるから」と言われたので、薬も貰わずに帰ることにしました。

 帰宅して、妻から「ここがいいんじゃないかな」と病院を見つけてきました。ネットで見たところ、今日の心療内科と比べると結構大きな病院です。「こころの診療科」「整形外科」「頭痛外来」「物忘れ外来」等々たくさんあります。患者にやさしそうな雰囲気を感じ取ることができました。自分の症状をきちんと聞いてくれるかもしれないと思ったので、明日はこの病院に行くことに決めました。


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発症 ~その1~ [発症]

 8月に入っても、梅雨明けが遅れ毎日冷たい雨が降っていました。
花粉症の季節も終わり体調はいつもの通り安定期を迎えてました。相変わらず疲労感と不安感はありましたが、人並み以上に必死に仕事をこなしていました。

そんなある日、他の部の人間のせいで仕事上のトラブルに巻き込まれました。理不尽に怒られたりしたため、強い怒りがこみ上げてきました。「自分は一生懸命やっているのに!」というものすごい怒りです。なんとか我慢しましたが、怒りで頭の中を思考がグルグル回り始めました。花粉の季節でもないのにうつが発症したのです。
 
1日~2日経過すると怒りは収まりましたが、その代わり強い不安感と焦燥感を感じるようになりました。休日に子供と公園に遊びに行っても不安感でいっぱいです。四六時中沸き起こる不安感を我慢しながら生活するのは本当に疲れます。強い疲労感から「このまま生活を続けていっても幸せにならないのではないか?」という考えが浮かぶようになりました。蓄積した疲労が極限に達しているのが分かりました。

 うつ状態がひどいので、ネットと本屋でもう一度うつについて手当たり次第調べました。このとき目をつけたのがうつと栄養の関係についてです。もしかしたら食事では補えない何らかの栄養素が足りないのではないか?とずっと考えていました。私は子供のころから体中がほてって赤く熱を帯びていたのですが、ミネラル分のサプリメントで補給するようにしたところそのほてりが治ったのです。そのような経験もあったため、うつと栄養についても調べるようになってました。

このとき読んだ本は「うつは食べ物が原因だった! 」です。この本は、「心の働きにかかわる脳内神経伝達物質(せロトニン等)は、栄養素によってつくられる。筋肉や脳はたんぱく質(アミノ酸)からできているので、せっせとたんぱく質を取らないと脳の栄養不足となってしまう」というようなことが書いてあります。特に注目すべき点は「せロトニンの材料となるトリプトファンは摂取したたんぱく質から作られる」という点です。ダイエットと称して肉を食べず炭水化物や野菜ばかり食べていると、たんぱく質不足となってしまうと論じています。体重1kgあたり1g~1.5gたんぱく質の摂取が必要とのこと。私は体重70kgだから70g~105gも取らないといけません。牛肉100gに20gのたんぱく質が含まれているそうですが、毎日400gは食べないといけません!しかも吸収されるのは半分程度らしいですから、もうたんぱく質不足は間違いなしでしょう。

とりあえず試してみようということで早速実践しました。ただし、たんぱく質を食事で補うのは無理があります。いかんせん太ってしまいます。アミノ酸のサプリメントはずばり「プロテイン」です。ネットで調べているうちに「うつ病ドリル」のHPにたどり着きましたが、この管理人の方もプロテインを飲んでからうつが回復してきたという貴重な体験談が書いてあります。これはもう実践するしかありません。

選んだのは「ザバス プロテイン ウエイトダウン」です。プロテインを飲むのは初めてですが、紅茶に溶かすとそれなりに結構おいしく飲めます。付属のスプーンすり切り3杯で21g摂取するように書いてあります。21gでたんぱく質は16.8g、エネルギーは78キロカロリーです。これを1日2回を目安にと書いてあるので、たんぱく質33gも取れることになります。太るのがコワいですが、土日走ればいいかと思って毎日朝晩2回ずつ飲むようにしました。飲み始めて3日が経ち、なんとなく不安感が薄らいだような感じがしました。

もう少し時間があれば本当に良くなっていったかも知れません。でも、残念ながらその次の日にとうとう会社で社会不安障害が発症してしまいました。



「うつ」は食べ物が原因だった! (青春新書INTELLIGENCE)

「うつ」は食べ物が原因だった! (青春新書INTELLIGENCE)

  • 作者: 溝口 徹
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2009/06/02
  • メディア: 新書







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兆候 ~1年前~ [兆候]

 毎年花粉症が始まる2月初旬からうつ状態となり、7月頃に良くなるというのを繰り返すようになりました。花粉症が終わると最悪期を脱することはできましたが、不安感と頭痛、それに疲労感は完全に消えることは一度もありませんでした。

 何度も繰り返すうちに、この頭痛は通常のものではないと気づき始めました。眉間と頭の奥のほうがジンジンとうずきます。そして頭に膜がはったような感じがしてすっきりしません。さらに不安感と思考が頭の中でグルグルと回りだします。この状態で仕事でうまくいかなかったり怒られたりすると、もうあり得ないくらいの怒りがこみ上げてくるのです。怒りを抑えるだけでもものすごく精神的に消耗します。怒り、不安感などそのときどきの思考が頭の中でグルグル回ります。これらの症状を自分は「頭のジンジン」「思考のグルグル」と呼んでました☆

このような状態でも毎日会社には通ってました。しかも周囲の人間と比較してもミスが少なく仕事ができるようになっていました。不安感を逆にフルに活用して仕事に役立てていたのです。普段不安感があるので、仕事に対してはかなり細かく用心深くなっていました。

自分はラインのとりまとめをずっとやってましたが、4~5人の部下を持つようになりました。もちろん責任が重くなっていくことを自分が望んだわけではありません。自分の体がいつ破たんするかわかりませんから。でも仕事ができる人間にどんどん仕事がくるような会社なのです。毎日必死で仕事してましたが、本当に疲れ切っていました。休日にいくら眠っても疲労感は全く取れませんでした。

 さらに長女が誕生し、家でも育児という仕事も増えました。家で一人考え事をしたり、好きなことをする時間も取れなくなりました。買い物など休日に出かけるのもつらい状態です。楽しいこともありましたが、疲れきっている自分です。頭痛、不安感、疲労感と自分はどんどん追い込まれていきました。

 会社の周囲も騒がしくなってました。フロア全体で100人くらいいましたが、二年間で5名の方が亡くなったのです。大半は病気ですが、若い方もいました。うつで休職中の人も2人います。イラクに駐留していた自衛隊員は全員無事帰ってきましたから、もう会社という立派な戦場です。健康であればやっていけるのでしょうが、ひとたび健康を害するとひとたまりもありません。

 事件はそんなさなかに起きました。







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兆候 ~3年前~ [兆候]

 このころの自分は頭痛とめまいで毎日調子が悪く、何かと不調を訴えてました。特に花粉症の季節になると毎年きまってうつの症状がひどくなります。四六時中不安感がつきまとうのです。普段ですらつらい状況ですから、会社でちょっとした発表があるともう死ぬ思いで会社に通ってました。前日にはノートに話すことをまとめて夜一人で会議室で練習です。でもそうやって練習しても、いざ本番になると話している途中で足が震えてしまいます。

通常であれば、話をしているうちにその場に慣れてどんどんラクな気持ちになっていくはずなのに、逆に不安感が強くなってしまうのです。それも病的なほど強いものにです。

 花粉症が終息する5月になっても不安感は収まりません。頭痛、目の痛み、不安感それぞれ症状はひどくなっていきます。ある日、中途採用の年配の人に自分のグループの業務内容を説明することになってました。その時間が近づくにつれて心臓がバクバク言い出したのです。心拍数が上がって、手が震えてきました。まるで恐ろしい敵がやって来るからその場から一刻も早く逃げ出したい、そんな感じです。まさに原始人が猛獣と出くわした時に起こる生理現象と同じなのです。汗だくになりながらもなんとか説明し終えましたが、もう訳がわかりませんでした。

私は、妻の協力を得てゴールデンウイーク中ずっと寝て過ごすことにしました。実はその前の年に私は結婚していました。ここまで読まれた方は「うつ状態のままで結婚できるのか?」と疑問を持たれることでしょう。うつ状態だと結婚式というめでたいことでも不安に駆られてしまいます。でもそのときは胸の痛みに耐えながらも、何とか乗り切ることができたのです。

さて、ゴールデンウイーク中は昼間は少しジョギングをして夜は22:00ころ就寝する毎日です。でも、寝ても覚めても頭痛とめまいと不安感はなくならないのです。目の痛みは目薬を指したら多少良くなりましたが、もう毎日暮らしていくのもやっとでした。いよいよ病気だと確信した私は、まず脳神経外科を受診しました。

頭痛とめまいがすると訴えてCTスキャンを撮ってもらいました。ところが、結果は「異常なし」です。
ほっとしたような気持ちもありましたが、釈然としません。費用は6,000円くらいかかりました(大がかりな検査の割には意外と安いかもしれない)。結局、睡眠時間を増やすことで夏場になってからやっと頭痛とめまいは最悪期を脱しましたが、不安感はなくなりませんでした。

 私は思いきって「心療内科」を受診することにしました。会社の知り合いも通っているという町医者です。入ると普通の内科と心療内科に受付が分かれています。私は心療内科のある左側の待合室に行きました。壁に大きく「パニック障害の症状」が列記されています。「・・・ある状況に接すると死ぬのではないかというくらいの恐怖を感じる」といった具合です。自分に当てはまるものもいくつかあります。

ほどなく自分の名前が呼ばれ、診察室に入りました。先生は50~60才くらいの方です。
「どうしましたか?」と聞かれたので、
「人前で話すときに異常なほど緊張する」「四六時中不安感に襲われる」と症状を訴えました。

すると先生は「スピーチのほかに同じように苦痛だと思うときはありますか?」と聞かれました。
「例えば、宴会とか会食するのはどう感じますか?」
私は「宴会とかも不安に思ってしまい苦手です」と答えました。
先生はカルテに「宴会恐怖」と書きました。
「会食とかはどうですか?」と聞かれたので「会食とかも苦手かも知れません」と答えました。
また、カルテに「会食恐怖」と書きました。もういろんな恐怖だらけになってます。

そして先生は「あなたの場合は社会不安障害というものです。いまではSADといってこういうパンフレットもありますのでよく読んでみてください。」と言われました。自分は「社会不安障害?SAD?あのCMでやっていたやつか」と思い当りました。でも自分はうつ病だと思っていたので釈然としません。

先生は「薬を出しておきますから。2週間分。1、2週間たつと効いてきます。」と言いました。私は疑心暗鬼になっていたので「薬というのはどういうものですか?」と尋ねました。すると「抗うつ剤です。それと薬が効くまでに抗不安薬も出しておきます。」と答えました。最後に「薬が効けばしめたものだ。」と表情を崩さず付け加えました。

そのあと体重を量って受診は終わりました。この間わずか10分足らずです。精神安定剤のようなものであれば抵抗は少なかったのかもしれませんが、私の話を2、3分聞いただけでいきなり抗うつ剤を処方されたわけです。自分にはこの先生は事務的に感じられました。そして渡された抗うつ剤を飲むのは抵抗がありました。まだ抗うつ剤を飲む自分を認めたくないという気持ちがあったのです。

 このころ私はうつ病研究の一環として「うつを克服する最善の方法―抗うつ薬SSRIに頼らず生きる」という本を読んでいました。 この本は抗うつ剤の副作用を警告していて、何種類も薬漬けになった挙句に更に悪化したとか、服用を突然中止したせいで犯罪を犯したなどといった怖い例をたくさんあげているのです。この本見るともう怖くて怖くて、とても抗うつ剤なんか飲むことはできません。まして10分足らずの診療では...。

私は薬をごみ箱に捨てました。「まだ薬なしでもやっていける。会社だって毎日行っている訳だし。」とか言って自分に健康であることを言い聞かせるようにしました。


「うつ」を克服する最善の方法―抗うつ薬SSRIに頼らず生きる (講談社プラスアルファ新書)

「うつ」を克服する最善の方法―抗うつ薬SSRIに頼らず生きる (講談社プラスアルファ新書)

  • 作者: 生田 哲
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 単行本



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