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兆候 ~3年前~ [兆候]

 このころの自分は頭痛とめまいで毎日調子が悪く、何かと不調を訴えてました。特に花粉症の季節になると毎年きまってうつの症状がひどくなります。四六時中不安感がつきまとうのです。普段ですらつらい状況ですから、会社でちょっとした発表があるともう死ぬ思いで会社に通ってました。前日にはノートに話すことをまとめて夜一人で会議室で練習です。でもそうやって練習しても、いざ本番になると話している途中で足が震えてしまいます。

通常であれば、話をしているうちにその場に慣れてどんどんラクな気持ちになっていくはずなのに、逆に不安感が強くなってしまうのです。それも病的なほど強いものにです。

 花粉症が終息する5月になっても不安感は収まりません。頭痛、目の痛み、不安感それぞれ症状はひどくなっていきます。ある日、中途採用の年配の人に自分のグループの業務内容を説明することになってました。その時間が近づくにつれて心臓がバクバク言い出したのです。心拍数が上がって、手が震えてきました。まるで恐ろしい敵がやって来るからその場から一刻も早く逃げ出したい、そんな感じです。まさに原始人が猛獣と出くわした時に起こる生理現象と同じなのです。汗だくになりながらもなんとか説明し終えましたが、もう訳がわかりませんでした。

私は、妻の協力を得てゴールデンウイーク中ずっと寝て過ごすことにしました。実はその前の年に私は結婚していました。ここまで読まれた方は「うつ状態のままで結婚できるのか?」と疑問を持たれることでしょう。うつ状態だと結婚式というめでたいことでも不安に駆られてしまいます。でもそのときは胸の痛みに耐えながらも、何とか乗り切ることができたのです。

さて、ゴールデンウイーク中は昼間は少しジョギングをして夜は22:00ころ就寝する毎日です。でも、寝ても覚めても頭痛とめまいと不安感はなくならないのです。目の痛みは目薬を指したら多少良くなりましたが、もう毎日暮らしていくのもやっとでした。いよいよ病気だと確信した私は、まず脳神経外科を受診しました。

頭痛とめまいがすると訴えてCTスキャンを撮ってもらいました。ところが、結果は「異常なし」です。
ほっとしたような気持ちもありましたが、釈然としません。費用は6,000円くらいかかりました(大がかりな検査の割には意外と安いかもしれない)。結局、睡眠時間を増やすことで夏場になってからやっと頭痛とめまいは最悪期を脱しましたが、不安感はなくなりませんでした。

 私は思いきって「心療内科」を受診することにしました。会社の知り合いも通っているという町医者です。入ると普通の内科と心療内科に受付が分かれています。私は心療内科のある左側の待合室に行きました。壁に大きく「パニック障害の症状」が列記されています。「・・・ある状況に接すると死ぬのではないかというくらいの恐怖を感じる」といった具合です。自分に当てはまるものもいくつかあります。

ほどなく自分の名前が呼ばれ、診察室に入りました。先生は50~60才くらいの方です。
「どうしましたか?」と聞かれたので、
「人前で話すときに異常なほど緊張する」「四六時中不安感に襲われる」と症状を訴えました。

すると先生は「スピーチのほかに同じように苦痛だと思うときはありますか?」と聞かれました。
「例えば、宴会とか会食するのはどう感じますか?」
私は「宴会とかも不安に思ってしまい苦手です」と答えました。
先生はカルテに「宴会恐怖」と書きました。
「会食とかはどうですか?」と聞かれたので「会食とかも苦手かも知れません」と答えました。
また、カルテに「会食恐怖」と書きました。もういろんな恐怖だらけになってます。

そして先生は「あなたの場合は社会不安障害というものです。いまではSADといってこういうパンフレットもありますのでよく読んでみてください。」と言われました。自分は「社会不安障害?SAD?あのCMでやっていたやつか」と思い当りました。でも自分はうつ病だと思っていたので釈然としません。

先生は「薬を出しておきますから。2週間分。1、2週間たつと効いてきます。」と言いました。私は疑心暗鬼になっていたので「薬というのはどういうものですか?」と尋ねました。すると「抗うつ剤です。それと薬が効くまでに抗不安薬も出しておきます。」と答えました。最後に「薬が効けばしめたものだ。」と表情を崩さず付け加えました。

そのあと体重を量って受診は終わりました。この間わずか10分足らずです。精神安定剤のようなものであれば抵抗は少なかったのかもしれませんが、私の話を2、3分聞いただけでいきなり抗うつ剤を処方されたわけです。自分にはこの先生は事務的に感じられました。そして渡された抗うつ剤を飲むのは抵抗がありました。まだ抗うつ剤を飲む自分を認めたくないという気持ちがあったのです。

 このころ私はうつ病研究の一環として「うつを克服する最善の方法―抗うつ薬SSRIに頼らず生きる」という本を読んでいました。 この本は抗うつ剤の副作用を警告していて、何種類も薬漬けになった挙句に更に悪化したとか、服用を突然中止したせいで犯罪を犯したなどといった怖い例をたくさんあげているのです。この本見るともう怖くて怖くて、とても抗うつ剤なんか飲むことはできません。まして10分足らずの診療では...。

私は薬をごみ箱に捨てました。「まだ薬なしでもやっていける。会社だって毎日行っている訳だし。」とか言って自分に健康であることを言い聞かせるようにしました。


「うつ」を克服する最善の方法―抗うつ薬SSRIに頼らず生きる (講談社プラスアルファ新書)

「うつ」を克服する最善の方法―抗うつ薬SSRIに頼らず生きる (講談社プラスアルファ新書)

  • 作者: 生田 哲
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 単行本



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