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発症 ~その2~ [発症]

 その日は、定例の会議がありました。順番に前に出て報告事項を述べるのですが、話す前から不安感でいっぱいになりました。座って話するのは平気なのですが、立って話するのは本当に苦手でした。自分の番が回ってきました。もう異様に緊張してしまい、立っているのがやっとの状態です。いざ話始めると不安感が真っ黒い雲のように立ち込めてきました。それと同時に足から順に体全体が震え始めました。そして頭が真っ白になり、とうとうへたり込んでしまったのです!体調がすぐれないということで会議は途中で抜け出させてもらいました。終わった後もずっと頭を手で押さえていました。ちょうどジンジンしていた、目の裏の後頭部の部分です。

 もう申し開きができなくなりました。上長に時間を取ってもらって自分がうつ状態であるということを説明しました。上長もまさか「うつ」であるとは知らず、かなり驚いていました。自分もショックでした。うつではないかとは思っていましたが、それを治そう努力してきました。そして体の不調を我慢しながら7年間必死に仕事してきたのです。精神力だけで仕事していたのが、今まさに崩れて行くのを感じました。

その日は午後から早退させてもらって病院に行くことになりました。
帰宅すると妻から「あれどうしたの?」と言われました。そして子供が「パパ!」と言って駆け寄ってきました。それを見たらもう泣きそうになりました。任務を果たせず帰ってきたのは会社勤めしてから初めてです。病院には妻に運転してもらうことになりました。3年前に行ったあの心療内科です。気は進まなかったものの、思考力ゼロだったのでその病院しか思いつきませんでした。

 発作を起こしてしまったことによって、脳にかなりダメージを与えてしまったことに気がづきました。少しの物音でも「ビクッ」としてしまうのです。大きな物音で驚く時と同じ反応をしてしまいます。もう脳がおかしくなってしまったとはっきり認識しました。

 夕方病院につきました。内科と心療内科に分かれていますが、どちらも人はまばらです。私は受付を済ませると左側の心療内科の方に行きました。3年前と同じくパニック障害について壁紙が貼ってあります。先ほど「死ぬのではないか」という恐怖を味わってきた自分です。今回はきちんと薬を飲んで治療しないといけないなと思いました。

ほどなく自分の名前が呼ばれ診察室に入りました。やはり3年前と同じ先生です。自分は不安感と先ほど会議で話せなくなったことを伝えました。すると先生は「あなたは3年前もいらっしゃってますね。あなたの病気は社会不安障害というものです。以前パンフレットあげたの持ってますか?」と言われました。私は少し面喰って「あ~、もうないかもしれません」と言いました。社会不安障害?前も同じようなことを言われた記憶が戻ってきました。先生は「薬2種類出しておきますから。これを飲んで薬が効けばしめたものだ。」と言われました。そのあと体重を図って終わりました。結局パンフレットはもらえませんでした。

診察を終えて処方箋をもらいました。10分足らずの診察でしたが、初診料として3500¥かかりました。私は調剤薬局には行かずに、まず妻の待つ車に戻って相談しました。診察を終えたあとでもまだ自分は「うつ」だと思ってました。それなのに社会不安障害と診断されたので、納得がいきません。もう少しよく調べないと薬を飲む気にはならなかったのです。結局、妻から「帰ったらネットで別の病院を探してあげるから」と言われたので、薬も貰わずに帰ることにしました。

 帰宅して、妻から「ここがいいんじゃないかな」と病院を見つけてきました。ネットで見たところ、今日の心療内科と比べると結構大きな病院です。「こころの診療科」「整形外科」「頭痛外来」「物忘れ外来」等々たくさんあります。患者にやさしそうな雰囲気を感じ取ることができました。自分の症状をきちんと聞いてくれるかもしれないと思ったので、明日はこの病院に行くことに決めました。


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発症 ~その1~ [発症]

 8月に入っても、梅雨明けが遅れ毎日冷たい雨が降っていました。
花粉症の季節も終わり体調はいつもの通り安定期を迎えてました。相変わらず疲労感と不安感はありましたが、人並み以上に必死に仕事をこなしていました。

そんなある日、他の部の人間のせいで仕事上のトラブルに巻き込まれました。理不尽に怒られたりしたため、強い怒りがこみ上げてきました。「自分は一生懸命やっているのに!」というものすごい怒りです。なんとか我慢しましたが、怒りで頭の中を思考がグルグル回り始めました。花粉の季節でもないのにうつが発症したのです。
 
1日~2日経過すると怒りは収まりましたが、その代わり強い不安感と焦燥感を感じるようになりました。休日に子供と公園に遊びに行っても不安感でいっぱいです。四六時中沸き起こる不安感を我慢しながら生活するのは本当に疲れます。強い疲労感から「このまま生活を続けていっても幸せにならないのではないか?」という考えが浮かぶようになりました。蓄積した疲労が極限に達しているのが分かりました。

 うつ状態がひどいので、ネットと本屋でもう一度うつについて手当たり次第調べました。このとき目をつけたのがうつと栄養の関係についてです。もしかしたら食事では補えない何らかの栄養素が足りないのではないか?とずっと考えていました。私は子供のころから体中がほてって赤く熱を帯びていたのですが、ミネラル分のサプリメントで補給するようにしたところそのほてりが治ったのです。そのような経験もあったため、うつと栄養についても調べるようになってました。

このとき読んだ本は「うつは食べ物が原因だった! 」です。この本は、「心の働きにかかわる脳内神経伝達物質(せロトニン等)は、栄養素によってつくられる。筋肉や脳はたんぱく質(アミノ酸)からできているので、せっせとたんぱく質を取らないと脳の栄養不足となってしまう」というようなことが書いてあります。特に注目すべき点は「せロトニンの材料となるトリプトファンは摂取したたんぱく質から作られる」という点です。ダイエットと称して肉を食べず炭水化物や野菜ばかり食べていると、たんぱく質不足となってしまうと論じています。体重1kgあたり1g~1.5gたんぱく質の摂取が必要とのこと。私は体重70kgだから70g~105gも取らないといけません。牛肉100gに20gのたんぱく質が含まれているそうですが、毎日400gは食べないといけません!しかも吸収されるのは半分程度らしいですから、もうたんぱく質不足は間違いなしでしょう。

とりあえず試してみようということで早速実践しました。ただし、たんぱく質を食事で補うのは無理があります。いかんせん太ってしまいます。アミノ酸のサプリメントはずばり「プロテイン」です。ネットで調べているうちに「うつ病ドリル」のHPにたどり着きましたが、この管理人の方もプロテインを飲んでからうつが回復してきたという貴重な体験談が書いてあります。これはもう実践するしかありません。

選んだのは「ザバス プロテイン ウエイトダウン」です。プロテインを飲むのは初めてですが、紅茶に溶かすとそれなりに結構おいしく飲めます。付属のスプーンすり切り3杯で21g摂取するように書いてあります。21gでたんぱく質は16.8g、エネルギーは78キロカロリーです。これを1日2回を目安にと書いてあるので、たんぱく質33gも取れることになります。太るのがコワいですが、土日走ればいいかと思って毎日朝晩2回ずつ飲むようにしました。飲み始めて3日が経ち、なんとなく不安感が薄らいだような感じがしました。

もう少し時間があれば本当に良くなっていったかも知れません。でも、残念ながらその次の日にとうとう会社で社会不安障害が発症してしまいました。



「うつ」は食べ物が原因だった! (青春新書INTELLIGENCE)

「うつ」は食べ物が原因だった! (青春新書INTELLIGENCE)

  • 作者: 溝口 徹
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2009/06/02
  • メディア: 新書







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